嫉妬は発作!っていうのが客観的に見れるかもしれないオススメ漫画「群青にサイレン」(2/3まで全話無料公開中)

2/3まで全話無料配信されてる、桃栗みかん先生の「群青にサイレン」がめちゃくちゃ面白かったのでご紹介しておきます!

全話無料で読めるのは2/3までなんでとりあえず興味ある人は急いで読んでみてください!

ちなみに青春野球漫画なんだけど、めっちゃくちゃドロドロしてます。

「やきゅう、だいすき!みんなで甲子園、いこうぜ!」みたいなのを期待して読んだらダメなやつ…。

少年達が主人公だけど、むしろ女子中高生の、女子だけの世界での嫉妬やら憎しみやら、承認欲求やら自己嫌悪やら、同性への恋愛のような執着のような何やらわからない感情やら依存やら、狭い世界でのカーストやらいじめやら…そういった多くの女子が経験してきたであろう思春期のがんじがらめのしんどさにひどく似た物が描かれているように私には感じられました。

(男子になったことはないので分からないけど、男子もこれ読んで同じように共感するのかな?)

さっき「めちゃくちゃ面白い」って言ったけど、これ読むの相当しんどくもあります。

でももうそういう世界を通り過ぎた後なので、私は俯瞰してけっこう面白く読めたかも。

で、このブログでこの漫画を紹介したいなって思ったのは主人公の嫉妬の仕方が、大嶋信頼先生が言われてる「嫉妬は発作」というのとすごく合ってるのではと思ったからなんです。

まあ桃栗みかん先生は「嫉妬は発作だ!」って思って描かれてるわけではないだろうけど。

人間の感情を描くのがうまい人が嫉妬をリアルに描いたら、大嶋先生がおっしゃってるのと同じような「発作」を描き出すことになった、ってことだったら面白いのでは。

て前置きはどうでもいいですね、よかったらぜひ読んでみてください。

こちらから↓

群青にサイレン第一話

本で読むならこちら↓

で、以下ネタバレ含んだ感想とかを書きます。

なんかもうね、すごくしんどかった!

何がしんどいって、とにかく主人公の性格が悪すぎる!

悪いなんてもんじゃないですよ…私も性格は悪いですけど、性格悪い私でも共感できるというレベルをはるかに超えてる…

だってね、本人は自己憐憫にひたってるけど、正直こいつがいとこの空くんにやってることって「いじめ」ですからね…

無視とかって「いじめ」ですから。

空君が主人公を慕っているのがまたつらい…

いじめというよりもはや親子間での虐待に近いものを感じた…

親を慕う子供、それをどうしても愛せずネグレクトしてしまう親、世間体などのために嫌いじゃないふりをするが実は心ではどうしても子供のことが嫌いで嫌いでどうしようもないというひどい状態、みたいな。

やっと空君に対して優しくなったかと思いきや実はまだまだ嫌いだ、許せない、とか言い出す。読んでて何度「もうやめてくれ、もういい加減まともになってくれ」と思ったことか…。

けどこの主人公のその性格の悪さっていとこの空君にだけ発揮してるんですよね。

他の人に対しては大人しく控えめでけっこう優しいんですよ。性格悪くないんです。同級生や先輩にも、母親や妹にも全然いじわるじゃなくて「いい子」。

まあだからこそ空君に対してだけいじわるなのが余計に性格悪い!ってことになるんですが…

空君はとてもいい子で、何より主人公のことを大好きだったのに…そんな子をあんなに邪険にして目の仇にするなんて…

けどこの「いい子」「主人公のことを慕ってる」っていうのが逆に主人公の嫉妬の発作を誘発してるのかもしれないって思った!
大嶋理論で、ね。

空君が下手(したて)に出るから主人公が強気になる、というよりは下手に出られれば出られるほど相手が自分より下の立場ってことになって嫉妬の発作を起こしてしまう、という。

大嶋先生が「嫉妬の発作は自分より下の立場の人間が、自分よりいいものを持ってる(高い潜在能力を持ってるとか周囲からの愛情を受けてるとか)というときに起こる」と言われていますが、それにぴったり合ってるんですよね。

転校生で大人しい空君は主人公より弱い立場に立っている。

だけどじつは主人公より野球の才能があり、大人たちからも評価され愛されている。

主人公の大好きなおばあちゃんの家に空君が住むことになり、主人公は「おばあちゃんを取られた」という感覚にもなる。

主人公は別に空君をいじめたくていじめてるわけではなく、他の人に対して見せるような優しい姿が本来の主人公の姿なのかもしれない。(そうはいってもかなりの承認欲求の高さだけど。ピッチャーへのこだわりの強さとか、キャッチャーを嫌がったり馬鹿にしたりとか)

そういう本来は優しいはずの人間が、なぜか自分を慕ってくれる相手に対して自分ではどうすることもできないような憎悪や嫌悪を燃やしてしまう。

その人を前にしたら人格がころっと変わってしまい、「いじめ」すら無自覚にしてしまう。

仲良くしなきゃ、と頭では思っても体がつい拒否してしまう。

自分が自分ではなくなってしまう。

これはもうね、確かに発作以外の何物でもないのでは??って思えますよね。

さっき私、主人公のこと「共感できるレベルじゃない」って言ってしまったけど、嫉妬の発作を起こして自分ではどうしようもなくなる感じ、頭ではわかってるけどどうしても態度がコントロールできなくなっちゃう感じ、そして自分より下の立場で、自分を慕ってくれてて、だけど自分より優れていたり人気者だったりする人のことがなぜかどうしても受け入れられないっていう感じがなんかすごく分かるんですよね。

ああそうそうこれこれ!っていう。

もうね、性格悪いとかなんとかじゃないんだよ、これ発作なんだよ!!っていう。

そう…結局のところ私主人公にめっちゃ共感してるんですよね。

漫画などの物語って、基本的には「気持ちのいい共感」を求めて読んでたりするじゃないですか。いい子ががんばって、最後に報われる話とか。

けど「群青にサイレン」を読んで感じるような、自分の暗部をゆさぶられるような「気持ちの悪い共感」も物語の大事な部分なのかもしれないなーって思いました。そもそも文学作品ってだいたいそうだし。

どうしようもない人間関係とか悪い感情とか「発作」とかを、安全なところから俯瞰して見ることができるし。それを見て感じたことを自分の生き方に何かしらいいように反映できるかも。

あと大嶋先生がおっしゃってるような「ネガティブフィードバック(ネガティブなものにネガティブなものをぶつけることで打ち消しあう)」もこういう作品を読むことで起こすことができたらいいなあとか思ったり。

ひどくセルフィッシュな人間が主人公でありその自己中な視点に立って物語を読むことで、「ああ人間って自分が思ってる以上に自分のことしか考えてないのかもな。他人にどう思われるかなんて考えるの無駄かもな。気に入られようとしてがんばったところで、気に入られるかどうかはその相手の問題でしかないんだな」「相手から嫌われたって自分のせいではないのかも、むしろ自分が優れてるからこそ嫌われるってことがあるのかも」ってことが感覚的に分かって、なんかまあ気楽になれたり。

だからこれを読んだのってなんかすごく自分にとってはよかったような気がするんですよね。

…ってまあいろいろこじつけたりもしてるけどそういうのほんとはどうでもよくって、正直面白い作品はどんだけしんどくても面白いっていうことなんですけどね…

うんとてもしんどかったけどとても面白かった!

こんなにしんどいのに先が気になってどんどん読んでしまった!

本当に素晴らしい作品です。

あと腐女子的には少年達のドロドロ愛憎劇がとてもよかったですね…

結局それですね!!!

わたしは鈴木x守屋ですわ…うっ…;;

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